マーケティングチーム向けAI動画ツールの予算策定ガイド
VerseIn チーム · 更新日

AI動画ツールの予算を組む際は、人員数ではなく「制作量(アウトプット)」を基準に試算しましょう。チームが毎月計画している完成動画の数、バリエーション数、リトライ数を算出し、どの料金体系(シート単価制、共有クレジットプール制、ワークスペース定額制、カスタム見積もり)であれば想定外のコストを発生させずにその制作量をカバーできるかを確認します。
主なポイント
- まずは月間の制作量を見積もりましょう。バリエーション、リサイズ、リトライを含めると、完成動画の数に対して生成回数が数倍に膨らむことがあります。
- チーム向けプランの主な課金方式は、共有クレジットプール付きのシート単価制、ワークスペース一律定額制、基本料金+有料シート制、カスタム見積もりの4つです。
- 料金プランは予算管理の半分にすぎません。ユーザーごとの使用量、クレジット上限管理、モデル制限機能の有無が、導入後に予算内に収まるかどうかを左右します。
- VerseInのTeams & Businessプランはカスタム見積もり制で、「ボリュームディスカウント」が設定されているため、見積もり依頼時には明確な制作量試算を持参することが最も有効です。
毎月制作するものの洗い出しから始める
シート数(人数)だけで組んだ予算は、コストの最大の変動要因である「チームが実際にどれだけ生成するか」を見落としがちです。動画コンテンツへの需要も高まり続けています。世界26カ国のマーケティング担当者4,450人を対象としたSalesforceのState of Marketing調査によると、78%が「現在制作できている量よりも多くのパーソナライズドコンテンツを必要としている」と回答しています。また、HubSpotによる1,500人以上のマーケターを対象とした調査では、ショート動画がROIにおいて48.6%でトップのフォーマットとなりました。
そのため、まずは1ページの制作計画書を作成することから始めましょう。コンテンツの種類ごとに以下を書き出します。
- 月間の完成動画数: 製品紹介動画、UGC風広告、SNS投稿、ローカライズ版など。
- 動画あたりのバリエーション数: 異なるフック(導入)、音声、オープニングカット、アスペクト比など。
- 言語数: 吹き替えや音声の再生成を行うバージョンは、それぞれ個別の生成としてカウントされます。
- 仕上げの工程: アップスケーリング、リライティング、字幕追加、ナレーションなど。
- リトライ用のバッファ: 最初の1テイクがそのまま使えるとは限らないため、やり直し分を見込んでおきます。
仮の例を挙げてみましょう。4人編成のチームが月に15本の製品動画を企画しているとします。各動画には、テスト用に3種類のアスペクト比と2種類のフックが必要です。これだけで、リトライ、吹き替え、アップスケーリングを一切行わない段階でも90回の出力になります。完成動画の数自体は少なく見えても、実際に費用が発生するのは「生成回数」に対してです。
主な料金モデルの比較
以下の表は、各ベンダーの公式ページ(2026年10月26日取得時点)に基づいています。料金は記事執筆時点のものであり変動しやすいため、導入決定前にリンク先をご確認ください。ベンダーはアルファベット順に記載されており、VerseInは弊社の自社製品です。
| プラン | 料金体系 | クレジットの仕組み | シート数 |
|---|---|---|---|
| HeyGen Business | 月額$149、追加シートごとに月額$20 | 1,500クレジット(プールの可否は記載なし) | 記載なし |
| Higgsfield Team | ヘルプページに記載なし(HiggsfieldのBusinessプランタブを参照) | シートごとの付与分をワークスペース残高に合算 | 2〜9 |
| Krea Business | 定額月額$200(年払い時は月額換算$160) | コンピュートユニットをメンバー間で共有プール | 最大50(シートごとの追加料金なし) |
| Magnific (formerly Freepik) Business | 月額€59/シート(年払い時は€47、付加価値税別) | チーム共有クレジットプール | 2〜100 |
| Runway Team | 月額$69/シート(年払い時は月額換算$55/シート) | 「各シートごとに毎月6,900クレジットが単一の共有プールに追加」 | 2〜9 |
| VerseIn Teams & Business | 「Let's Talk」(カスタム見積もり) | 「月間・シートごとのカスタムクレジット」 | 「無制限のメンバー数」 |
シート単価制+共有プール
RunwayやMagnificは人数単位で課金され、各シートが単一の共有残高にクレジットを追加します。コストは人員数に応じて分かりやすく増減します。注意点として、たまにレビューを行うだけで生成をほとんどしない閲覧者にも、最も多く生成するヘビーユーザーと同額の費用がかかる可能性があるため、軽度な利用者の扱いを各ベンダーに確認しておく必要があります。
ワークスペース一律定額制
Kreaはワークスペース全体で単一の料金を設定し、メンバー間でコンピュートを共有する仕組みです。予算予測が立てやすいのが特徴です。制限基準は人数ではなくコンピュートの割り当て量になるため、パックの容量を制作計画に合わせて選びましょう。
基本料金+シート課金
HeyGenは基本料金に追加シートごとの従量制を組み合わせています。メンバーを追加する前に、シートごとにクレジットが増加するのか、あるいは基本枠のまま固定なのかを確認してください。
カスタム見積もり
VerseIn Teams & Businessには定価の表記がありません。プランカードには「Let's Talk」と記載されており、営業チームに共有した要件に基づいて見積もりが算出されます。ここで事前に作成した制作計画書が真価を発揮します。ベンダー側も、実際に共有された具体的な数値があって初めて、適切なクレジット量とディスカウントを算出できるためです。
クレジットが実際のコストを左右する理由
クレジットベースのツールでは、プラン料金で「ツールの利用権」を購入し、クレジットで「制作物(アウトプット)」を購入します。VerseInでは、ツール、モデル、設定ごとに個別のクレジット消費量が定められており、料金ページで実行を確定する前に合計クレジット数が表示されます。処理エラー、タイムアウト、コンテンツ安全確認の不通過などでジョブが失敗した場合は、消費されたクレジットが自動的に返還されます。
これにより、どのプランを利用している場合でも有効な2つの予算コントロール手段が得られます。
- モデルの選択: コストはモデルによって異なるため、どのモデルを下書き用とし、どのモデルを本番仕上げ用に残しておくかを事前にチーム内で合意しておきます。
- 設定の適正管理: アップスケーリングなどの高負荷な仕上げ処理は、編集内容が確定した後にのみ実行するように徹底します。
プラン選定後に月間残高をプロジェクト別に配分する方法については、チームでAIクレジットを共有する方法のガイドをご覧ください。
予算計画に支出管理機能を組み込む
いくら単価が手頃でも、管理機能がなければ第3週までに予算をオーバーしてしまう恐れがあります。そのため、価格と並べて管理機能(管理者向け機能)もリストアップしておきましょう。
Teams & Businessプランのカードには、支出管理に直結する3つの機能が記載されています。
- 「ユーザーごとのクレジット使用状況と権限を備えた一元的な管理者コントロール」
- 「プロジェクトの予算超過を防ぐクレジット上限管理」
- 「ワークスペースメンバーの使用モデル制限」
他社ベンダーでは、これらの管理機能が提供されるプランの階層が異なります。KreaのBusinessプランにはモデルアクセス制御とメンバーごとの支出上限が記載されています。Higgsfieldのヘルプセンターでは、全階層でメンバーごとの使用状況を確認できますが、ユーザーごとのクレジット上限設定はEnterpriseプランのみとなっています。厳格な個人別の上限設定が必要な場合は、検討中のどの階層に実際にその機能が含まれているかを確認してください。これにより、実質的に比較すべき価格プランが変わってくる可能性があります。
割引が適用される条件
割引が適用される主な要素は、「年間一括払い」と「ボリューム(購入量)」の2点です。
年払い契約: 記事執筆時点において、RunwayのTeamプランは年払いにすることで1シートあたり$69から$55に引き下げられます(「20%オフ」と記載)。Kreaは月額$200から$160に、Magnificは1シートあたり€59から€47になります。年契約はコストを削減できる反面、一定期間の縛りが発生します。年契約を結ぶ前に短期の試験導入(パイロット運用)を行うことでリスクを軽減できます。その手順については、チームへのAIクリエイティブツールの導入展開手順で解説しています。
ボリューム: VerseInのTeams & Businessのカードには「ボリュームベースのディスカウント」と記載されていますが、具体的な割引ティアは公開されていません。事前に作成した制作量の見積もりを提示することで、この項目が具体的な割引額へと変わります。
もし生成を行うのが1〜2名程度であれば、当面は個人向けプランで十分な場合もあります。VerseInのPro、Ultra、Maxプランでは月払い、四半期払い、年払いが用意されています。最新の料金は料金ページをご確認ください。VerseIn TeamsとPro、Ultra、Maxの比較では、個人向けプランからチーム向けプランへ移行すべき目安となる兆候をまとめています。
契約前に営業担当へ尋ねるべき質問
商談の際は、制作計画書とともに以下の質問リストを持参してください。
- クレジットは共有プール制ですか、シートごとに紐づいていますか、それともワークスペース全体で設定されていますか?
- チームで最も頻繁に使用する予定のモデルや設定の場合、一般的な1回の生成にかかるコストはいくらですか?
- めったに生成を行わないレビュアーや承認者にも、有料シートの割り当てが必要ですか?
- メンバーごと、あるいはプロジェクトごとに支出上限を設定できますか?上限に達した場合はどのような挙動になりますか?
- メンバーごとに使用可能なモデルを制限することはできますか?
- 同時に並行して実行できるジョブ数はいくつですか?また、優先処理キューは提供されますか?
- 年払い契約や大容量の利用に対してどのような割引が適用されますか?また、最低契約期間の条件はありますか?
- 請求期間内に使い切れなかった未使用クレジットの扱いはどうなりますか?
- 商用利用規約には何が含まれますか?また、必要に応じて請求書払い、SSO、個別契約書の締結には対応していますか?
VerseInの場合、プランカードには「優先キュー付きのカスタム同時生成枠」および「プレミアム24/7カスタマーサポート」が記載されていますが、カードに記載のない項目(SSO、請求書払い、個別契約条件など)は営業チームへの確認事項となります。見積もりをご希望の場合は、件名を「VerseIn Teams Plan Inquiry」として [email protected] までメールをお送りいただくか、料金ページの「お問い合わせ」をご利用ください。他社ベンダーとの横並びでの比較については、AI動画ツールのチーム向けプラン比較をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
マーケティングチームはAI動画ツールにどれくらいの予算を組むべきですか?
一概に決まった金額はありません。月間の制作量、選択するモデル、アクセス権が必要な人数によって変動します。まずは制作量の見積もりを作成し、2〜3のプランに当てはめて試算してみることを推奨します。
シート単価制とワークスペース定額制はどちらが適していますか?
シート単価制は、ほとんどのメンバーが日常的に生成を行うチームに適しています。ワークスペース定額制は、共有コンピュート枠が計画した制作量を満たしている限り、たまにしか使わないメンバーが多く在籍するチームに適しています。
動画の確認・レビューのみを行うメンバーにも有料シートが必要ですか?
ベンダーによって異なるため、事前に確認してください。VerseInのTeams & Businessカードには「無制限のメンバー数」および「月間・シートごとのカスタムクレジット」と記載されています。Teamsプランでは1つのチーム内で各メンバーが専用のアカウントを持ちますが、レビュアーがどのようにカウントされるかはカード上に明記されていません。見積もり依頼時に確認することをおすすめします。
VerseInで生成に失敗した場合、予算(クレジット)は消費されますか?
いいえ、消費されません。料金ページの案内通り、処理エラー、タイムアウト、またはコンテンツ安全確認によって生成が失敗した場合、クレジットは自動的に返還されます。
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